ご挨拶

お初にお目にかかります。老舗江戸前寿司　「ばり寿司」15代目店主・嘉流間 福郎です。

私たち「ばり寿司」は寛永12年の創業以来、代々にわたり魚の目利きと職人の技の研鑽を重ねてまいりました。

おかげ様で、小さな店構えながらも現在に至るまで、丹精込めたお寿司を皆様にご提供し続けることが出来ております。

「近海で獲れる新鮮な地魚と手作りの温かみに勝るものなし」その信念を胸に、日々お客様ひとりひとりに向き合いお寿司を握る毎日です。

しかし、数か月前に”異変”が起きました。当店の目の前に超大手全国チェーン格安回転寿司店「ざざ寿司」がオープンしたのです。
開店当初は静観・・・否、楽観していたのです。どこから仕入れたのかもわからぬネタを、自動機械が整形したシャリに乗せただけの寿司など寿司にあらず。

初めは物珍しさと値段に釣られて離れたお客様も、すぐに味の違いに気づいて帰ってくるだろうと・・・。

ところが、全国チェーンならではの広告力・商品企画力、世界中から仕入れたネタのバリエーション、何よりもその安さは私たちの想像を超えていました。

何より、若い方や家族連れのお客様にとっての”入りやすさ”は圧倒的とも言えます。

そう。「高い費用を支払ってより美味しいものを味わいたい」と考える方は今の世の中では一握り。

大多数を占めるのはやはり、気軽なお値段でカジュアルに楽しみたい層だということを痛感させられました。

私達がどれだけ身を削っても、ざざ寿司さんの価格に並ぶことは到底不可能です。日に日にお客様は減ってゆく一方。

数日前には、長年当店に通って頂いていた常連のご一家がざざ寿司さんから出てきた場面で出くわし・・・互いに気まずい思いを覚えてしまいました。

ですが・・・私共も歴史ある寿司屋。親のまた親、さらにその親・・・先祖より代々継承してきた職人の技と誇りを、容易く捨てるわけには参りません。

思いつく限り、あらゆる手を尽くそう。最後まで戦おう。職人一同、固く決意いたしました。

仕入れるネタの質の向上、おもてなしの向上、入店しやすい門構えの工夫・・・皆、寝る間を惜しんで知恵を絞っています。

そして・・・如何なる手を以ってしたとしても、店を畳む覚悟をせねばならなくなってしまった時に備え、最後の手段を用意しました。

悪の組織による破壊工作の依頼です。

某、知る人ぞ知る悪の結社が提供する怪人派遣サービスへお願いし、ざざ寿司さんの店舗を対象に徹底的な破壊活動を行って頂きます。

勿論、私達が手を回したとは絶対に判らない形で、徹底的に滅茶苦茶にして頂きます。ああ

このような行為に及ぶことは大変心苦しく思うのですが、改めて考えてみると、先に戦いを仕掛けてきたのはざざ寿司さんです。

こちらへ豊富な品揃えと格安のサービスという銃口を向けてきた以上、銃弾を以って返答を受けることは当然の摂理ではありませんか。

いわば、これは正当防衛です。

とはいえ、怪人派遣サービスへの依頼は生半可な額では行えません。そこで、皆さまのご助力をお願いしたいのです。

皆さまのお力添えで格安寿司チェーン店に心底まで染み渡る恐怖を植え付け、最終的に立ち退かせましょう！

由緒正しき、歴史と伝統ある大切な日本の文化、お寿司。

これからの未来へ、私達の子や孫の世代へと繋げてゆくためにも、愛あるご支援をどうかよろしくお願いいたします。